11話　「彼氏の影」

着手金として、100万円を支払い、某復縁屋に彼女との復縁を依頼した。
復縁工作としては、

①工作員が彼女のバイト先にバイトとして採用される
②工作員がフルタの元カノと仲良くる
③フルタの元カノから心境の情報を得る

というビックプロジェクトである！
しかし、前回話した通り、元カノのバイト先では、バイト募集をしておらず、いきなり躓いた。
これが、前回までのシナリオである！

彼女のバイト先は某CDショップ屋のようです。
「フルタさんは絶対に近づかないで下さい」と言われ、かなりの月日が過ぎた。
どうやら、復縁屋は求人誌を毎回チェックしているようだった。
そして、業者に依頼して2ヶ月が過ぎた、ようやく業者が彼女のバイト先に潜入できたということだ。

フルタの元彼女と接点を持つために工作員はバイトまでするのか。。
って、復縁に興味がない友人は驚いていた。
だが、当事者であるフルタは、復縁で頭がいっぱいだった。

フルタさん新しい情報があるので事務所に来て下さい！

そう言われて新情報を聞きに事務所に訪れた。

新情報が聞けた。
それは、私が彼女の家の前で見た「男」の正体であった。

彼女の彼氏は、バイト先の先輩

また、関係も良好であり、バイト先でも仲が良いという点。

おい。おい。
まじかよ！
どうやって、ここから復縁するんだよ！
彼氏とラブラブなら復縁難しいじゃないか！！

フルタは、復縁業者に強く当たった！
それもそのはずである、こちらは、100万円の出費をしている。
何の成果も得られないとか笑えない！

フルタさん、突破口はあります。
我々は、プロです。
お任せ下さい！

復縁屋は、万遍の笑みで私に言った。
どうやら、彼氏に別の女性がチラつくというのだ。
業者は「彼氏の方も調査したほうがいい！復縁を短期間で実らせる」と言う。
話を聞くと、今いる彼氏が別の女性と仲良くしている証拠を探し、不仲にさせる作戦だという。

しかし、この方法は「別れさせ屋」のような別の分野も入ってくので、料金は上乗せになるのだとか。
既に100万支払っており、別に成功報酬なども支払わなければならない。

金が掛かりすぎる！！

業者には100万支払ったが、調査代とは別に、彼女と同じバイト先の派遣や彼女のバイト先に客としていった飲食代も勿論差し引かれており、
すでに、70万以上使われていた。
それでも、私は引き続き調査を依頼した。

フルタは既に引くという選択が出来ないでいた。
そして、これは味方である復縁屋の戦略でもあった。

復縁工作を頼むと、多くの人は途中で退く選択が取れない！
今までの行動が無駄になってしまうからだ！

「サンクコスト」をご存知だろうか？
サンクコストとはすでに支払って、今後も回収できない費用を指す経済用語である。
彼女と進展がまったく無い状態なのに、これ以上投資することはまさに「サンコスト」なのである。
しかし、すでに100万支払っている私は、後に引くことが出来なかった。

追加金35万を支払い、今後に期待するのでした。