1話「キッカケは夢の国(ディズニーランド)から始まる」

1話「キッカケは夢の国(ディズニーランド)から始まる」

ディズニーランドと復縁

 

私、フルタには付き合って2年の彼女が居た。
彼女とは何でも言い合える仲だったし、2年もすると彼女に対して特別な意識しなくなっていたのも事実だった。
あるとき、彼女がどうしても夢の国(ディズニーランド)に行きたいと言うから、サービス精神で連れて行ってやることにした。

 

彼女は喜んでいたが、今朝まで友人と飲んでいたので、頭痛はするし遠出することが億劫だった。

 

ディズニーランドに着く前に、彼女は手作りクッキ-をくれた。
しかし、食欲がないのでポケットにしまった。

 

ディズニーランドに着くと楽しいのだが、乗り物を乗ろうとする度に2時間待たされるということに、イライラしたことも事実であった。

 

そうすると、彼女が不機嫌になってきた。

 

「なんでつまらなさそうなの?」

 

私自身楽しんでいたけれども、2時間待って、また同じ乗り物を乗ろうと言い出す彼女に内心イライラしていたのかもしれない。

 

そんなことないよ(怒)

 

その押し問答が面倒に感じてしまう。
私達は、その事がキッカケで喧嘩してしまった。
喧嘩は何度もしてきたし、今回もそんなつもりでいた。

 

このような喧嘩は日常茶飯事だった。
フルタの怒りが収まると、毎回フルタが謝る。
いつもと同じ展開が繰り返すだけだ!

 

あ、、。
メンドクセーー

 

そんな思いもありながら、仲直り工作を始める。

 

私が謝って丸く収めようと平謝りすると、彼女は、

 

「喧嘩ばかりでもうたくさん。私達あわないんだよ」

 

と言ってきた。
私は

 

「なら、別れようか?」

 

 

言うと、彼女は数分間黙り、泣きながら頷いた。
一瞬何が起きた分からなかった。

 

いつもならば、「嫌だ別れたくない」という彼女の言葉が出てくる筈なのに…。
しかし、別れるといった手前何も言い出すことが出来ず、彼女の帰る背中を見つめていた。
この時の俺は、別れるという言葉の真の意味を理解できていなかった。

 

ポケットに手を入れると、綺麗にラッピングされていたクッキーがぐちゃぐちゃになっていた。

 

次⇒2話 「誤算」